最近、『薬剤師の新しいキャリアデザイン戦略 〜自分らしい人生を歩むための33歳までに読む本〜』を読む機会がありました。
今年、私は30歳を迎えることから、自身のキャリアをどう描いていくか真剣に考えることが増えてきました。
この本は、薬剤師として働き始めて5~6年経った人たちにとって、非常に参考になる内容が詰まっていました。
この記事では、この本を読むことで得られるメリットや、特に印象に残った部分を紹介したいと思います。
ちなみに、この本は以下のような章構成となっています。
- 第1章:病院薬剤師としてのキャリア
- 第2章:薬局薬剤師としてのキャリア
- 第3章:女性薬剤師としてのキャリア
- 第4章:自分らしく信頼される薬剤師を目指して
私は新卒から現在まで、調剤薬局での勤務経験しかないため、特に第2章と第4章に焦点を当てて、感想をお伝えします。
オススメする読者層
キャリアや年収アップを求める方
第2章では、家庭を持った30代前半の男性薬剤師が、年収アップを目指してキャリアパートナーとの相談を始めるシーンからスタートします。
この章では、薬局薬剤師を取り巻く現状、薬局業界に求められていること、キャリアアップに必要なスキル等を詳しく解説しています。
現在の労働環境に不満を感じる方や、キャリア・年収アップの具体的な方法が見えづらい方には、是非この本を読んでいただきたいです。
将来のキャリアに不安を感じる方
第4章では、新卒で入社した薬局での仕事に、徐々に慣れてきた女性薬剤師が、キャリアパートナーとの相談を通じて、自身の将来を考えるエピソードが描かれています。
この章でのポイントは、薬剤師の現在の転職状況や、自分らしくキャリアを築くための考え方に関する部分です。
薬剤師としての役割や仕事を通じての目標が見えにくい方に、この章は多くの気づきを与えてくれるのではないかと思います。
企業への転職を検討中の方
この本では、企業への転職に関する考え方や実際の体験談を各章で紹介しています。
特に第4章では、「企業転職に必要な5つのポイント」というテーマで、身につけるべきスキルや経験を具体的に解説しています。
私自身、企業への転職活動経験がありますが、情報が少なく難易度が高い転職先のため、この分野の転職を目指す方にとって、貴重な情報源になるのではないかと思います。
この本を通じて、転職を検討している方がどうすれば成功の確率を高められるか、具体的な方法を見つけるきっかけになればと思います。
将来の就職先に迷っている学生さん
一般的に、この本は薬剤師国家試験を合格し、数年間の実務経験を持つ薬剤師向けに書かれているように感じますが、就職活動中の学生にも非常に役立つ内容が含まれていると思います。
例えば、調剤薬局への就職を考えている人だったら、第2章で大規模チェーン薬局、中規模薬局、小規模薬局の特徴やそれぞれのメリット・デメリットを解説しています。
また、第4章で述べられている「自分らしいキャリアの築き方」を理解した上で、薬局の選び方など具体的なアドバイスを読むことで、将来の選択をより明確にする手助けになるのではないかと思います。
読んでみた感想
現在の就業環境を振り返る
私は現在、大規模チェーン薬局に所属しています。
転勤や異動は確かに大変ですが、同じ場所での継続勤務に飽きを感じてしまう私にとって、2~3年おきに新しい環境で勤務できることは、実は合っているのかもしれません。
過去には、薬剤師以外の業界への転職を試みましたが、失敗に終わってしまいました。
結果的に、早期に企業転職へ見切りをつけることができ、現在の会社で人事や教育部門への挑戦を考えるきっかけになり、新たな方向性を作ることができたのではないかと感じています。
家計管理の新たな視点
第2章で紹介されている男性薬剤師の例は、年収が650万円という、比較的恵まれた状況を描いていました。
彼のライフスタイルや趣味、家族構成を考慮すると、収入アップだけでなく、支出のコントロールも大切だと感じました。
普段から「両学長 リベラルアーツ大学」というYouTubeチャンネルを視聴していますが、そこで紹介されている内容が、この本の中でも触れられており、いくつか共通点があるなと感じました。
本書は金融教育を主題としてはいませんが、単純に収入を上げるだけで、今よりも幸福度が上がるとは限らないのではないかと思いました。
この本を読んで、自分がどれだけの生活水準を求め、何にお金を使うと幸せを感じるのか、改めて考え直すきっかけになりました。
まとめ
薬学生時代、私には国家試験に合格し、薬剤師免許を取得するという明確な目標がありました。そのため、一途にその目標に向かって努力することができました。
しかし、社会に出て数年が経ち、仕事に徐々に慣れてきたある時、突然「今の仕事をずっと続けていくのか」という疑問と不安を感じるようになりました。
キャリアに関する疑問や不安を抱える人にとって、この本は非常に参考になると感じます。
キャリアに悩む皆さんには、是非、この本を一度読んでみてほしいと思います。
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